煮物に、また椀物にと京懐石には欠かせない生麩。
生麩は夏から秋にかけて、八寸の顔となります。
しっとり湿った笹の葉の三角形に包まれ、そのいかにも
京らしい風情をたたえる生菓子こそ、「麩まんじゅう」といえます。
つるんとしてやわらかく、それでいてモチモチと歯ごたえの快い生麩は、
室町初期ころに中国から禅僧によってもたらされ、天正年間より茶人たちに愛用されたといいます。
その生麩ならではの趣に青海苔を工夫し、包むこしあんも季節にふさわしいみずみずしい甘さに仕上げました。
笹の葉の移り香とともに、爽やかな心地をお届けできれば幸いです。
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